Japanische Klassiker mit Furigana
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わかれたるつまにおくるてがみ
別れたる妻に送る手紙
近松 秋江
Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme
……「一体何処に何うしているんだろう?」と、また暫時く其様なことを思い沈んでいたが、……お宮も何処かへ行って了うと、言う。加之今朝のことを思い出せば、遠く離れた此処に斯うしていても、何とも言うに言えない失態が未だに身に付き纏うているようで、唯あの土地を、思っても厭な心持がする。ナニ糞! と思って了えば好いのだが、そう思えないのは矢張りお宮に心が残るのであろう。と、ふっと自分が可笑くもなって、独り笑いをした。
後はまた、それからそれへと種々なことを取留めもなく考えながら、呆然縁側に立って、遠くの方を見ると、晩秋の空は見上げるように高く、清浄に晴れ渡って、世間が静かで、冷やりと、自然に好い気持がして来る。向の高台の上の方に、何処かの工場の烟であろう? 緩く立迷っている。
それ等を見るともなく見ると、私は、あゝ、自分は秋が好きであった。誰れに向っても、自分は秋が好きだ/\、と言って、秋をば自分の時節が回って来たように、その静かなのを却って楽しく賑かなものに思っていたのだが、此の四五年来というもの、年一年と何の年を考え出して見ても楽しい筈であった其の秋の楽しかったことがない。