Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ほくりくのみんか
北陸の民家
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 北陸の民家 (ほくりくのみんか) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.402 Zeichen · 3 Bildschirme
郷里の加賀の片山津を出て、もう四十年になる。したがって、北陸の民家といっても、私の印象に残っているのは、四十年前の田舎家の姿である。
もっともこの頃は、日本中どこへ行っても、新しく建つ家は、どれもこれも、似たり寄ったりのものである。そういう意味では、私の印象に残っている四十年前の北陸の民家の姿の方が、かえって意味があるかもしれない。
今もその傾きがあるが、北陸と限らず、裏日本の田舎に共通した特徴は、その貧しさにある。農家は、もちろん藁ぶきであって、広い土間をはいって行くと、板敷の広い部屋が一つある。この部屋には、大きいいろりが切ってあって、炊事も暖房も、この火で全部まかなわれる。雨の多い土地であるから、野良仕事に濡れた身体を暖めるには、いろりでの焚火が、絶対必要である。煙抜きがないので、この部屋は、天井も床も、煤で真黒になっている。その黒い板の上に、茣蓙を敷いて、それが居間にも、食堂にも使われる。寝るのもたいていは、この種類の部屋である。
中農になると、その奥に、畳を敷いた、二間つづきぐらいの座敷がある。しかし硝子窓がなく、あるいはあっても小さいので、この座敷は、一日中暗い。