Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
「衰微していた征矢野家を、一時に隆盛にしたのですからな。修験道から云う時は『狐狗狸変様蒐珍宝』――と云うことになりますので」
「さようで」と商人はすぐに応じた。「商法の道から申しますと、十ぱい買った米の相場が、一夜で十倍に飛び上がったようなもので」
するとその隣りに坐りながら、いいかげんに酔っているところから、相手があったら言葉尻でも取って、食ってかかろうと構えている、博徒らしい若者がいたが、
「一時に金持ちになるような奴に、善人なんかありませんや。その証拠にはここの先代だって、あんな死に態をしてしまった。罪ほろぼしというところで、毎年命日がやって来ると、当代の主人がこんなように諸人接待のご馳走をするが、それだけ引け目があるって訳さね」
四
(そうか)と貝十郎は胸に落ちた。(諸人接待の饗応だったのか。それで俺のような人間をも、有無を云わせず連れ込んだのか。……それはそれとしてこの家の先代には、何か犯罪があるらしいな)
で、貝十郎は聞き耳を立てて、客人達の話を聞いた。
「一人の老人の旅の者が、何んでもこの家へ泊まったのだそうです」貝十郎のすぐ側に坐って、肴をせせっていた村医者らしい、七十近い老人が、声をひそめて他聞を憚るらしく、自分の前に坐っている、これも六十を過ごしたらしい、寺子屋の師匠とでも云い