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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

我輩はそっちへ歩いて行った。岬を越して向こう側へ下り、しばらく様子を窺った。

と、松の林の中から、云い争う声が聞こえて来、やがて一人の若い女が、逃げるようにして走り出して来た。

と、五人の男の姿が、松林の外側へ現われ出た。

「困った奴だなあ、止せばいいのに」

「あんな姿であんなことをして、人に見られたらどうするのだ」

「病気のように好きなんだからなあ、潮湯治っていうやつをよ。どうにもこうにもやり切れない」

「それも毎晩やるんだからなあ」

五人の男達は話し合っていた。

松林の中から燈が見えていた。貸し別荘のみよし屋の寮が、その松林の中にあって、そこでともしている灯火なのさ。

我輩は娘の様子を見ていた。と、どうだろう女だてらに、渚まで行くと着物を脱ぎ、全裸体になって海へ飛び込み、抜き手を切って泳ぎ出したじゃアないか。

それも素晴らしい泳ぎぶりなのだ。

今も云ったとおりこの辺の海は、潮湯治場の外なので、波が荒くて危険なのだ。ところどころに岩さえあって、うっかりすると岩の角へ、叩き付けられることさえある。それだのに娘は恐れ気もなく、島田の髷を濡らさないように、乳から上を波から出し、グングン沖の方へ泳いで行くのだ。