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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

月がそいつを照らしている。白い肩、白い頸、白い腕、白い脛、時々ムックリと持ち上がって見える。月がそいつを照らすのだ。

だが間もなく見えなくなった。遙かの沖へ泳いで行ったからさ。五人の男も見えなくなった。みよし屋の寮へ帰って行ったのだ。我輩はしかし帰らなかった。もう少し見てやろうと思ったからだ。

四半刻ぐらいも経っただろうか、人魚の姿が見えて来た。渚を目がけて例の娘が、沖から泳いで帰って来たのだ。潮から上がって渚に立って、手拭いで体を拭き出した時、さすがの我輩も変な気持ちがしたよ。

な、女は全裸体なのだ。月がそいつを照らしているのだ。グーッと手拭いで体を拭く。そんな時女は羞かし気もなく、片足を上へ持ち上げるのだ。とうとう我輩は呟いてしまった。

「この様子をあの男へ見せてやらなければならない」と。

衣裳をまとうとみよし屋の方へ、娘は走って行ってしまった。

「十二神、お前何んに来たのだ」

翌日の晩のことだったよ、館林様がこんなように云って、我輩の席へやって来られた。

「丸田屋と深い縁故でもあるのか」

「さようで」と我輩は云ってやった。「丸田屋とは趣味の友でございます」