Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
日本橋の大町人、帯刀をさえも許されたお方、名は申さぬが屋号は柏屋、ただしご主人は逝くなられた筈だ! お気の毒にもお母様にも、二年前に逝くなられた筈だ! その柏屋の一人娘、これもお名前は云わぬ方がよかろう! ナーニ構うものか云ってしまえ! さようお島様と云われる筈だ! そのお島様が雑っておられる! 顔色がお悪い! ご病気だからだ! お眼が悲しげにすわっておられる! お心に悶えがあられるからだ! ……大家のお嬢様であられるのに、お供も連れられずたったお一人で、悪漢や誘拐師がうろついている、夕暮れ時の盛り場などへ、どうしてお越しになったのか? 思案に余ったからであろう! 途方に暮れられたからであろう! ごもっとも様でご同情します! 奇病! 奇病! 何んとも云えない奇病に、取りつかれておいでなされるからだ。……そこで藤兵衛は申し上げます、浅草を出て品川まで、すぐにもお出かけなさいませ! 助けるお方が出て参りましょう! 途中に変わったことがあっても、行った先に変わったことがあっても、決して恐怖なさいますな、救いの前には艱難があり、安心の前には恐怖があるもので! さあさあお出かけなさいませ! 一人の立派なお武家様が、蔭身に添ってあなた様を、お守りなさるでございましょうよ」