Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

街はもう騒ぎつかれて倒れてしまったようにひっそり閑としていた。

彼は誰にも見られないで、家の中に入ることができた。彼は電燈をつけた。

「うん、実に素晴らしい。実に見事な腸だ」

彼は、ガラス管をもちあげ電燈の光に透かしてみて三嘆した。

すこし青味のついた液体の中に彼のいう「腸」なるものがどろんとよどんでいる。

「あ、生きているぞ」

薄紫色の腸が、よく見ると、ぐにゃりぐにゃりと動いている。リンゲル氏液の中で、蠕動をやっているのであった。

生きている腸!

医学生吹矢が、もう一年この方、熊本博士に対し熱心にねだっていたのは、実にこの生きている腸であった。他のことはききいれても、この生きている腸の願いだけは、なかなかききいれなかった熊本博士だった。

「なんだい、博士。お前のところは、男囚が二千九百名もいるんじゃないか。中には死刑になるやつもいるしさ、盲腸炎になったりまた変死するやつもいるだろうじゃないか。その中から、わずか百C・Mぐらいの腸をごまかせないはずはない。こら、お前、いうことをきかないなら、例のあれをあれするがいいか。いやなら、早く俺のいうことをきけ」