Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme
がちゃり!
妙な音がしたと思ったら、とたんに、例の機械腕が、ぬっと前へ伸び、それから今度は内側へ折れ曲り、そして田方氏の首を、ぎゅっと締めつけてしまった。
「あっ、失敗った。おい、手を貸してくれ」
田方氏の首から、三本目の腕をはなすのに、余と、アパートのかみさんとは、大骨を折らなければならなかった。
「やあ、くるしかった。二百万円と聞いたものじゃから、うれしさのあまり、つい間違って、首を振ったのです。あははは、あははは、機械というやつは、正直すぎて困るですな」
余は、あらためて、氏の素晴らしい発明に対して、讃辞を呈した。そして、
「頭に、第三の腕をとりつけるとは、まったく画期的なご発明ですなあ」
といえば、氏は、「なあに、その点は大したことはありませんよ。ほら、この動物をごらんなさい」
氏はいつだが持っていた動物図鑑を余の前に開いてみせた。氏の機械腕が指さした図を見るとそれは小さいときから余らになじみ深き象であった。
大発明のタネは、きわめて身辺に転がっているのだ。ただ、その人が、気がつかないだけのことである。