Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme
戦闘準備をよそにして音楽浴に漬からせとくのかネ。この非常時に国民全体が部署を捨てて音楽浴をやっているなんて、そんなべらぼうな話はありゃしない」
「そんなことはありません。そうでもしなければ国民全体をこっちの自由にあやつることは出来やしませんわ」
「君は、火星のロケット艦が毒ガス弾を撃ちだしても、当国ではただいま音楽浴中だからそれが済むまでちょっとお待ち下さいっていうつもりだろう」
ミルキ閣下は、にがりきった。
11
音楽浴が済んだ知らせがあった。そこで女大臣は早速索敵と爆撃との二戦隊長をテレビジョン電話の前に呼びだした。二人はスクリーンの前に顔を現わした。二人は言いあわせたように、大きな眼をギョロギョロと光らせ、頬はゲッソリとこけ、喘息患者のようにヒイヒイと喘いでいた。過去において、かくも憔悴しきった二人の戦隊長を見たことがなかったので、さすがの女大臣もギクリとした。
動員と戦闘準備とが、厳然と申し渡された。二人の戦隊長は、瘠せ衰えた顔に忠誠の色を現わして、謹しんでその命令をお受けした。女大臣アサリ女史は、今までの憂鬱も憤懣もどこへやら忘れて、至極満足の意を表した。