Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme
植松総監は、急に忙しい身の上となった。
なにしろ、思いがけない大地震のため、堅牢を誇っていた警視庁は、無残にも、半壊してしまった。
そういうわけだから、東京全市にわたって、倒壊家屋は数しれず、しかも先年の震災のときと同じように市内七十数カ所から、火災が出た。
警防団は、すぐさま手わけをして、組織的な消防作業をはじめた。市民たちは、すこしばかりの荷物をまとめて、続々と郊外へむけて避難を開始した。
電気は、すぐとまってしまったので、人々は、歩いていくほかはなかった。トラックや自動車はあったけれど、これはすべて、ただちに徴発されて官公用になってしまった。
放送局だけが活躍をして、さまざまのニュースを伝え、市民たちに警告を発した。しかし、市民たちの持っていた受信機は、交流式だったから、放送局は、ただ自分ひとりで忙しそうに活躍しただけのことで、効果はいっこうあがらなかった。
そのかわり、自動車に、電池式の受信機と高声器をつんだ移動ラジオが、すこぶる活躍をして、避難民や、火事場で活動している市民たちへ、ニュースを送った。
そのニュースの中に、市民たちの予想もしなかったものがまじっていた。