Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子 (ちよこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 83.104 Zeichen · 164 Bildschirme
「有難う、でもほんとうに、あんまり興奮させちゃって、ネエ」
「私今うれしいんだからそんな事云うの御やめなすってネどうぞ、ほんとうにうれしいんです、もうどうして良いかと思うほどなんですの」
「ようござんすネエ、まわりの幸福な人は少し位いやな事に出会っても嬉しく思っちまうんですからネエ。一寸変な事云う様だけれ共私のきく事をあんた返事して下さる?」
「してかまわない事なら……」
「じゃネエ、貴方は私をどんな男だと思う?」
「どんなって――私はそう思ってます、かなり感情のつよい神経家なんだけれ共つとめて平気になんでもない様にしていらっしゃる方。それから世の中には自分が征服してしまうかそれでなければそれに心を奪われてしまう事ってあるでしょう。それを大抵の事は征服して――少しぐらい無理でも又心をうばわれそうになっても征服しなくっちゃあ気のすまない方、生をつよく愛する方、それで居てかなり悲しみやすい方、違いましたら――」
「そう見えますか、それで貴方は私をすき? それともきらい?」
「私はすきな人でも時によると、――その時の気持によって見向もしたくないほどになる事がありますもんはっきりは云えませんけど――好きはすきですわ」