Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちよこ(さん)

千世子(三)

宮本 百合子

Lesen Sie 千世子(三) (ちよこ(さん)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.906 Zeichen · 54 Bildschirme

Aozora Bunko

鳩が来たんで御機嫌が取りよくなったって云って居たっけ。

ちょくちょく来る京子が笑いながらそんな事を云ったのも此の頃であった。

鳩を小屋に入れる頃から小雨が降り出して夜に入ってもやまなかった。

夕飯をすまして歌をうたって居た時京子の声がしきりに、

「一寸一寸、ここまで来て御覧なさいよ。

と云って居るのをききつけた。

千世子はつま先でとぶ様にして入口に行って障子を荒っぽくあけると思わず千世子は声をあげた。

「まあどうしたって云うんだろう。

「何故? 珍らしいでしょう。

そうやってパサパサな分髪にして居る貴方のわきに私が座ったらさぞ面白いだろう――

京子はこんな事を云った。

縁を緑色に塗った足駄をはいて蛇の目を手にもって京子は青い瓦斯の下に立って居る。

紫の様に見える濃い髪は形のいい島田に結ばれて長目な顔にほど良い美くしさをそえて居る。

お召のあらい縞の着物に縮緬のうすい羽織をようやっと止まって居る様に着て背が高い帯の形をコンモリと浮き出させていつもよりは倍も倍も美くしくすなおらしくすべての様子をととのわせて居た。

「わざわざこんななりをしたんです。

お召の着物の様な気持のする雨ですもん。