Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ(さん)
千世子(三)
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子(三) (ちよこ(さん)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.906 Zeichen · 54 Bildschirme
女中が少しすかして行った戸をいまいましそうに見ながら千世子は云った。そしてだまったまんま京子の桃割のぷくーんとした髷を見て居た千世子は急に嬉しそうに高く笑いながら京子の肩をつかんで言った。
「いいえね、
ほんとうを云えばほんのちょっぴり御機嫌が悪かったの。
でもね今はすっかりなおった、
貴方が来て呉れたから。」
「貴方はお天気屋だもの、
そいで又我ままなんだもの、
あの女だって思いがけない処に気をつかって居るんですよきっと。
昨日の朝よった時に私の顔を見るなり、
「まあ、貴方様、いい処へお出下さいました事、御起ししなければならないんでございますけど少し工合が悪いと、
『私は朝が一番お前のきらいな時なんだよ』
なんておっしゃいますんですから。
って云ってたもの、可哀そうに――
「それもそうね、
さきおとといの朝六時にお起しって云って置いたんできっちり六時が鳴ると私の処へ来て肩をゆすりながら、
貴方様、お置き遊ばせ。
て云うのがさっきから目を覚して居る私にははっきりわかったけれ共、狸をして居たら、鏡の前に行ってしきりに何かして居たっけが音のしない様に私が起上って居たのを見てまああの様子ったら、ぶきりょうの女があわてた様子ったらありゃあしない。