Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ(に)
千世子(二)
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子(二) (ちよこ(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.249 Zeichen · 31 Bildschirme
時々舞台からフーッとはなれた気持になって今時分あの人が来てやしまいかなんかと思った。
それでも身綺麗にした若い人達の間を揉まれ揉まれしてゆるゆる歩いて居る時にはいかにも軽い一色の気持になって居た。
クルクルに巻いた筋書を袂に入れてかなり更けてから「まぶた」のだるい様な気持で帰るとすぐ京子は来たかと女中にきいた。
ええいらっしゃったんでございますよ八時頃に。
お留守だって申上たら随分がっかりした様に御玄関にかなり立って居らしったんでございますからほんとに御気の毒でございましたよ。
千世子は渋い渋い顔をした。
まあそうだったのかえ。
すまなかった。
と云ったっきりのろい手つきで着物を着換えたりした。
帯の「しわ」をのしながら女中は京子が旅へ出かけるらしい事を云って居たなどとも云った。
翌日朝早く京子の家へ「今日は一日居るから」と云ってやった。
午後ももう日暮方になって京子は重そうな銀杏返しに縞の着物を着て手が目立って大きく見える様な形恰をして来た。
随分待って居たんだけれど昨夜だけはどうしたんだか出掛けた処へ貴方が来たんだもの。
悪うござんしたねえ。