Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよがみのはる
千代紙の春
小川 未明
Lesen Sie 千代紙の春 (ちよがみのはる) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.985 Zeichen · 11 Bildschirme
「死んでいるのではないかい。」と、おばあさんはたずねました。
「あんなに、口をぱくぱくやっているではありませんか。」と、おじいさんはいいました。
「いくらだい?」
「大まけにまけて一両よりしかたがありません。」と、おじいさんは答えました。
「どれ、ちょっと尾を持って、跳ねるか見せておくれ。」と、おばあさんは、註文をしました。
このとき、ほんとうにこいは、死んでいるようにじっとしていましたが、おじいさんは、おばあさんがそういうので、大きなこいの尾を握って高くさしあげました。
こいは、このときだと思ったのです。いま自分が逃げなければ数分間のうちに殺されてしまうと思いましたから、力まかせに、おじいさんの腕を尾でたたきつけて、おじいさんがびっくりして、手を放したすきに河の中へ一飛びに、飛び込んでしまったのです。
「あ、こいが逃げた!」
と、通りすがりの人々は叫んで、黒くその前に集まりました。おじいさんも、おばあさんも、びっくりしましたが、中にもおじいさんは、この大きなこいを逃がしてしまったので大損をしなければなりませんでした。孫たちに夕飯のおかずを買ってゆくどころでありませんでした。