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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんぼくのとうかいどうよつやかいだん

南北の東海道四谷怪談

田中 貢太郎

Lesen Sie 南北の東海道四谷怪談 (なんぼくのとうかいどうよつやかいだん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.555 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

「おや、おまえは、与茂七さん」

「お袖か、わしは、おぬしの所在を探しておったが、かわった処で、はて面妖な」

「わたしよりおまえさんは、いつぞやの晩、観音裏の田圃道で人手にかかって」

「あれか、あれなら奥田庄三郎だ。彼の晩、おめえと別れて、庄三郎に逢い、すっかり衣裳をとりかえた」直助の方を見て、「あなたは、浅草で見知りごしの薬売、たしかに其の名も直助殿」

「あ」

直助の驚く一方で、与茂七はお袖を見た。

「して此の人は、なんで今時分来てござる」

お袖はちょっと困ったが、宅悦の置いて往った杖に気が注いた。

「お、お、それ、按摩じゃわいな」

お袖は死んだと思っていた与茂七が不意に現れたので、身の置きどころに困っていた。お袖は与茂七の讐を打ってもらうために、直助に肌をゆるしたのであったが、今となっては其のためにかえってあがきがつかなかった。お袖はいよいよ腹をきめた。お袖は直助に囁いた。

「一旦、おまえに大事を頼み、女房となったうえからは、やっぱり女房、与茂七殿に酒を飲まして、わたしが手引する」

そこで直助は外へ出て藪の中へ身をひそめた。そこでお袖は与茂七に囁いた。

「寝酒をすすめて寝かしたうえで、行燈の燈を消しますから」