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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

釘をもて――粉河、その方共、そいつの手足を押えい」

四人の近侍が立上った。池上は、微笑した。だが、顔色は少し蒼白めてきた。一人が、池上の右手をとって、上へ引いて、膝頭を片脚で蹴りながら

「打つ伏せになれ」

と、いった。池上は、その男を下から睨み上げて

「打つ伏せ? 薩摩隼人は、背を見せんものじゃ。馬鹿め」

怒鳴ると、右手を振り切って、仰向けに、大の字に、手足を延した。四人が、一人ずつ手と足を押えつけた。

「釘を、持参仕りました」

「親指を責めてみい――池上、ちいっと、痛むぞ」

一人が、押えている池上の掌を、板の上へ伏せて、親指の爪の生え際へ、釘のさきを当てた。そして、少しずつ力を加えながら、爪におしつけた。

爪は、暫く、赤色になっていたが、すぐ、紫色に変った。池上の顔は、真赤に染まって、米噛の脈が破裂しそうにふくれ上って来た。額に、あぶら汗が滲み出て来て、苦しい、大きい息が、喘ぐように、呻くように、鼻から洩れかけた。脚が微かにふるえて、一人の力では押え切れぬくらいの力で動こうとした。足の指は、皆内部へ曲って、苦痛をこらえていた。眉も、眼も、脣も、頬も、苦しそうに歪んで来た。