Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
小太郎の出て来たうしろから、証人に呼ばれて来ていた職人が出て来た。
「別嬪だなあ――庄、上々に行ったよ。お邸からすぐ、横目付が来てね。邸から、明日とも云わず、叩き出すって――俺あ、胸がすっとしたよ」
「そうかい」
「こいつ、何をぼんやりと――庄公っ、あの女に惚れやがったな」
職人が、太い声をした。辻番人が
「いい女だなあ。屋敷者には、一寸、稀らしい玉だぜ」
「女郎に売ったら儲かるだろうな」
庄吉は、黙って、往来へ出た。群集は、どんどん散り始めて、番所近くの人々が、四五人しかいなかった。
(あの兄貴の野郎にゃあ、怨みがあるが、妹にゃあ、何んの怨みもねえのに、あの小太と一緒に、浪人になって――邸を追い出されて――待て待て、俺は一人だから、片手折られても、何うにでもなるが、あいつのところは大勢――大勢でなくったって、あの妹一人だったって、怨みもねえのに、これから、浮世の苦労をさすってことは――俺一人の仕業でないにしても、男として、寝醒めがよくねえや。兄貴の奴あ、何うなってもいいが――うんにゃ、兄貴の野郎が何うにかなると、妹も何うにかなる――こいつあ、いけねえ。あん畜生、一人きりが、ひでえ目に逢わなくちゃ、物の理前が合わねえ。