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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

七瀬には、十分理由が判らなかったが、今まで引続いて起った不運のことを考えると、何かしら大事が起るように思えた。

「七梃だっ、急ぎ」

と、いう声がしたので、振向くと、侍が七人、怒鳴っていた。その中に、七瀬の顔見知りの人がいた。立場の横には、掘抜井戸があって、馬の、雲助の、飲み水になっていた。駄賃をもらうと、駕を、軒下へ片付けて、雲助はその井戸へ集まった。

「今し方、五梃、侍が乗って行かなんだかのう」

「行かっしゃりました」

「何の辺まで参っておろう」

「さあ、この宿を――外れたか、外れんかぐらいでござんしょう」

筆を、耳へ挟んで、立場の取締りらしいのが答えた。七人の侍は、軒下に陽を避けながら、何か囁いては、頷き合った。

「酒手をはずむから、急いでくれんかの」

「心得ました」

「てへっ、てへっ、今日は、女っ子が抱けるぞ。いい御天道様だっ」

雲助達は、元気よく、駕を担いで走り去った。七瀬は、何んとなく、だんだん胸騒がしくなってきた。そして、宿の方へ歩き出した。その時

「ほいっ、ほいっ」

と、四人立の駕が、すぐ後方へ来た。七瀬が振向くと、駕の中の人の眼が光って

「七瀬殿、何を愚図愚図」