Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「これでも――これでも」
一木は、歯を食いしばって、頭上のところで受けている奈良崎の刀を、つづけざまに撲った。
人の絶叫と、懸声とが、人間の叫びとは思えぬくらいに物凄く、杉木立の中へ木魂していた。
誰の米噛もふくれ上っていたし、額からは汗が流れていた。眼は、ヒステリカルに光って、それは、物を見る穴でなく、殺人的気魄を放射する穴に変っていた。
浪人達は、三重の不利があった。一つは、ここを切抜けて牧を討つのが目的であったし、もう一つ、地の利を対手に占められていたし、第三は、得物に槍の無いことと、人数の少いことであった。
だが、それよりも、もっと大きいのは、金で動いている請負仕事で、一木以下の六人が隼人の面目をかけて、対手を討とうとするのと、その態度においてちがっていた。
一木が、奈良崎に打込んだのを合図にして、双方の離れていた刀尖が、少し触れ、二三人は、懸声をしたが、対手が、じりじりつめて来るのに対して、四人は、退るばかりであった。だが、その中の一人は、奈良崎が槍で股を突かれたのを見ると、
「何をっ」
と、絶叫して、その槍の浪人に斬りかかった。進む浪人も、退いた浪人も、草に滑った刹那