Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
島津は愚か、徳川も、或いは日本の国も、危急存亡の秋に立っているのが、只今の時世だ。久光に命じて、吉野ヶ原に於て、青銅製口装五十斤の滑腔砲を発射させたのは、未だ二三年前で、当時、天下はこの新武器に驚愕したものじゃ。ところが、舶来船の砲を見ると、鋼鉄製百二十斤、元装の連発砲さえ出来ておる。よいか、こと軍事のみでさえ、この隔りがある。暦数、医薬、財政、哲理、一として学ばざるを得ない外国が、ひしひしと、日本を取巻いて、戦ってか、外交でか、交易をしようとしている。香港の阿片戦争の結末を聞いて居ろう。戦えば、あれじゃ。戦わねば――二三要路者と、わしとの外、悉く攘夷――父も、攘夷、家老等も攘夷。日本のために、島津家のために、わしは、この声だけと戦っておる。その外に争うものは、何もない筈じゃ。もし、お前達も攘夷党なら、早速退るがよい。わしは今、日本を、双肩に負うたつもりである。私情を顧みる暇がない」
斉彬の、和かな眼に引きかえ、舌端には灼けつくような熱があった。
「久光にも、お前達、何か不満があるらしいが、それもいかん。あれには、立派に、一国の主たるべき器量がある。