Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

「とぼけんとき。いびるのは、お前やあらへんか」

百城が

「その義観が?」

「その義観さんが、貴下はん、その前の日に、今、お話の、一人逃げよった奴を、救うてお出でなさったやおへんか。なあ、爺さん、血だらけで、虫の息で、誰も、かまいて無いのを――」

「婆さん、ちがうがの。道側に倒れていたんを、お坊さんが見つけて、京の屋敷へ引渡そうというたのを、義観さんが、まあまあいうて、御自分の庵室へ、連れ戻りなされたんやがな。それで、お侍様」

爺が、立上った。

「その若いお侍を連れて戻ると、何んと、義観さんは、山に捨ててあるのは、この人の父親にちがいないと、一人で、頂上へ、お越しなされて、何うどす、血みどろの死骸を、担いで降りて来なさったやおへんか。そして、庵室の前へ埋めて、その倅の方を、貴下、義観さん一人で手ずから介抱してなさるそうやが、これは義観さんでないと出来んことやと、大評判どすがな」

「いや、忝ない。そして、その義観の庵室は」

「根本中堂の下どす。あんた行きなはるか」

「うむ」

「けったいなお坊どすえ」

「ははあ、何う、けったいな」

「一風、二風、三風、も変ってますね。物をいわなんだら、一日でも、黙ってる――」