Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
尤も、袋持に聞くと、なかなか、苦肉の計であるらしいが、ミイラ取りが、ミイラに、いささか成った形では、少し、武士としても、意気地がなさすぎる。邸の表から申せば、お前は、国許へ戻すか、女は、親許へ下げて、まず、処置するところであるが、ただの家来ではないから、そういう処置もできぬ。処置はできぬが、噂が拡まる。一番、困るのは、拙者じゃ。中島兵太夫、以後、不義へは、睨みが利かなくなる。よいかな、このわしのことを、考えてくれ。又、父仲太郎殿の誠忠無比、一命を賭しての呪術を思い、又、己の行末のことを、思うたなら、ここは、一番、女と別れるのが、何よりの孝行、忠義じゃ」
一気に、こういって兵太夫は、冷たい茶を飲んだ。
「女も同じことじゃ。孫兵衛の倅は、よい男じゃ。気前も、武士らしい。調所殿が、見込まれた聟じゃし、その親爺も、調所殿の相談対手にもなった大町人じゃ。申し分は無い。百城も可愛かろうが、浜村へ行くと、又、浜村が可愛うなる。去る者、日々た疎しと申して、若い娘は、すぐ血の道を上げるが、暫く我慢して、外の男と添うておりゃ、又、その男の肌がよくなるものじゃで――な、ここは、わしの顔を立て、月丸の武士を立てさせ、その方の身の上も固めると、三方、四方よいように、さらりと、別れるのじゃ。