Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「それで、今から、宅へ、連れ戻りたいが、ええかい」
お由羅は、脇息から肱を放して
「煙草」
と、いった。一人が、銀の延煙管を取上げて、煙草をつめた。そして、お由羅に渡すと、一人は、高蒔絵した煙草盆を、手頃のところまで、差出した。
「一枚、役者が上ゆえ、気をつけぬと――」
「それくらいのことは、心得ており申す」
腰元が、俯向いて、笑った。
「自分では、心得ており申しても、先方は、もっと心得ており申して――」
と、お由羅が、いうと、腰元は、声を立てて、俯向いて、笑った。
「それくらいのことあ、いくら、何んでも――」
「心得ており申しますかの」
腰元の一人は、胸を押えて、横になって笑いこけた。
「台無しだ。とにかく、心配してもらわんでも、うまく料理するよ。高が小娘一疋ぐらい、いざとなれば、指の先で、ぴしっ――」
「また、下卑た――」
お由羅が、軽く睨んだ。
「一言お前に届済みにさえしておきゃあいいんだ。後で叱られると、うるせえから――」
「叱られるようなことさえ為さらなんだら、誰が、好んで叱ります?」
「はいはい、何うも、皆様、御邪魔様で――では、深雪を頂戴して参じます」
小藤次は、立上って、一足踏み出しながら