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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

小太郎も又、わしを見逃すまい。この、討つ、討たれつが、古からの武門の慣い、武士の辛いところじゃ――お前は、恋のために、武士を捨てよと申すであろうが、わしは、恋も完うし、武士も完うしたい。完うして、完う出来ぬことはない。お前の苦しさは、よく判る。お前は又、わしを、欲が深いと考えておるであろう。然し、わしと、お前との恋を、完うせんがためには、帰参する外にないぞ。手柄を立てて――このまま乏しい金がつきて、野垂死をして、それで完うなるような、女々しい恋を、わしは武士の恋とは思わぬ。心中沙汰は、浅はかな町人の業じゃ」

綱手は、月丸の言葉の半分は判った。然し、半分は、月丸の独り勝手な、自分だけに都合のよい言葉のように思えた。

「でも、みすみす、手引して、兄を討たせることは――」

「討たれるかもしれぬ」

「尚、厭でござんす」

「判らぬかの――討つ、討たれるは、末のこと。小太郎の在所の手がかりを存じておりながら、みすみす見逃すことは、わしの性としてできぬ。明かさぬなら、明かさぬで、探し、求めて、討ちに参る」

「そんな御無理な」

「そちと、別れても、参る。そちのために、邸も、知行も捨てた。