Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
(本当に――)
と、思ったり、そう思うと、小太郎の、父に似た頑ななところを、早く、益満のように、捌けてくれたらと、思ったり、俯向いている小太郎を、眼の隅で見ては
(何んとか、云えばいいのに)
と、兄の肩をもったり――していた。
「わしは、徳川倒壊のために、西郷吉之助等と、力を合せて、江戸表にて、事を起そうと企んでおる。その起す事の第一が、小太、驚くな、押込強盗をするのじゃ」
四人が、一斉に、益満の顔を見た。
「悪事であろう。押込は――然しながら、ここから、倒幕の火の手が上って、それが、天下のためになることなら、即ち、勇を振って押切るの一手だ。悪にして、大善。大道、大義に通じるものじゃ。牧一人を、終生の目当として、斉彬公のお心の百分の一にも当らぬことに、一生を賭すなどとは、少しちがうぞ。わしが、貴様を、救おうともし、救わぬかもしれぬと申すのも、この大きい目当の邪魔になるかならんかが、その岐れ目だ。判るだろうな、小太」
「よく――よく判る」
と、小太郎は、大きく、頷いた。
「判るか」
益満は、微笑して
「男子、天下の難に赴く、事の成否を論ぜず、善悪を問わず、ただ、勇躍して、死地に入るのみだ。