Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「急げっ、急げっ、走るんだ」
と、供頭が、陸尺を、叱りつけて、棒鼻を叩いた。駕は人々と一緒に走り出した。足音と、叫び声とが、高く、渦巻いた時、将曹が
「周章てるな、不覚者。何が、恐ろしい!」
と、叫びざま、馬から、降りた。そして、右手で、左の腕を押えていた。二三人が
「御前、手疵を――」
と、顔を寄せると
「掠れ弾じゃ」
と、云って、
「曲者を追え。その辺に漁夫の舟があろう」
「はい」
と、答えて、二三人が、左右へ、走ったが、それよりも早くに、後の方にいた七八人の人々が、もう走って行っていたし――走りながら
「船頭、舟を貸せっ」
と、叫んだり
「おーい、船頭、その舟を捕えろ」
と、絶叫したりしていた。一人が、橋の上から袴を脱いで、飛び込もうとするのを、一人が
「泳いで、追いつけるか、この馬鹿」
しがと、止めたり――平は、馬の頸に、獅噛みついて、滑り落ちるように、飛び降りると、びゅーんと弾丸の唸りを聞いた。
(危いっ)
と、感じ、そして、将曹の、撃たれたらしいのを見ると
「何うした?」
と、侍に守られながら近づいた。
「お上は?」
と、将曹が聞いて、周囲へ群立って来た人々へ