Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
そして、母よりも、深雪のことの方が、心配になってきた。
(せめて、綱手の代りに、深雪を人並に、暮せるよう――)
小太郎は、そのことを考えると、自分の仕事の、牧を討つ、ということや、益満の、天下を対手のことやよりも、南玉の生活が、庄吉の生活が――その人々の住んでいた長屋の人々の生活の方が、遥かに、幸福のようにも、考えられてきた。
(弓矢の意地?――主君への忠義――そのために、一家を、悉く犠牲にして――)
と、思うと、益満の言葉が、しみじみと判ってきた。
(世の中が、ちがってきた――それは本当だ)
旅人姿をして歩いて行く小太郎と、南玉とに、通行の人々は、道を避けた。そして、不安な眼をして、眺めた。そういうことは、今までに、ないことであった。
(京都へ、不逞浪人が入り込んで、血を流すから、それらと、わしとを、一緒に考えているらしい)
小太郎は、右に、広々として、ぎらぎらと輝く湖を見、左に、聳立している山を見て
(益満の云う如く、わしの考えは、小さいかも知れぬ)
と、感じた。
「若旦那、何を、お考えで」
南玉が、汗を拭きつつ
「こう申しちゃあ、何んでげすが、同じ死ぬんなら、あの山あ、景気がようて、ようがすな。