Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
と、考えてくると、庄吉の恋も、仙波の家の運命と同じように、悲惨なものに、思えた。
「一寸、こいつは――一寸、若旦那、考えさして、おくんなさい。こいつあ、弓矢の意地や、二一天作の五のように、簡単にゃ行かねえ。講釈の方でも、人情話は、難かしゅうござんして――」
「わしも、考えようが、わしは、わし自分をさえ、養えない身だからの――斬死の外にない」
小太郎は、湖を眺めて、呟いた。南玉は、何んとか、うまいことをいって、小太郎を、慰めたかったが、何ういっていいか、判らなかった。
陽ざしは、暑かったが、山風は、冷たかった。杉木立の深い中へ入ると、蝉の声が、時々聞えるだけで、身体も、心も、落ちついてくるようであった。
(何うにもならん――因果な身の上、因果な恋――というより外に――なにしろ元が巾着切で、今は巾着切仲間の情に生きている奴で、おまけに、片腕がないと来て――当り前の、そこいらの娘だって、嫁に来る身分じゃあねえ――だが、侠気があって、素直で、命がけに惚れ込んで、それでいて、男らしく諦めて――)
南玉は、同じことを、幾度も幾度も繰返して考えてみたが、どう処置していいか、判らなかった。