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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

その庄吉の眼、叫び――月丸は、反射的に、身体を躱して、深雪の襲撃に備えた。だが、ほんの一瞬の、油断が、その刹那を遅くした。白い刃の走りを見

(しまった)

と、感じ、深雪の乱れた髪、血走った眼を、ちらっと見た時、月丸は、腹の中へ、灼熱した棒を、突き通されたように感じた。灼痛に、全身が、凝固するように、硬くなった。

月丸の、右手は、反射的に、深雪へ打ち込もうとして動いた。油断を打たれた口惜しさと、軽侮していた者に、負けた無念さと――後悔、憤怒、恥辱――そんなものが、眼の中へ、凄い光になって、現れていた。深雪は

(兄上、父上、妾は、ここで殺されます)

と、心の中で、叫んだ。

(でも、一太刀は――お姉様、仇敵を、取りました)

深雪は、掌の中へこたえた手答えが、どのくらいの深さのものだか、判らなかったが、それでも

(十分)

と、いうような感じがした。

「くそっ」

庄吉は、野獣のように、吼吠した。歯を剥き出して、眼を血走らせて、狂った獣のように――月丸が、深雪へ、斬りおろそうとした腕へ、突いてかかった。

「うぬっ」

月丸は、深雪を、斬ろうとした刀を返して、庄吉の突きを、よろめきつつ、躱けて、打ち込もうとした。