Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「急用じゃ」
と、いって
「御部屋へ――」
と、いう将曹に
「いいや、母上も、御一緒の方がよい。参れ」
と、口早にいって、将曹と、擦れちがって、お由羅の方へ行った。女中が、周章てて、褥を持って来た。将曹が、苦い顔をして、久光の後方からついて来た。
「未だ、眠みやらぬかえ」
と、お由羅が、久光に、声をかけた。
「母上は又、将曹と、何事を、お話でござりますかな」
将曹が
「つい、世間話が、長うなって――」
「世間話とは、父上が、世間から、非難されていなさるようなことをか」
「非難とは?――別に、大殿は、左様な――」
「それが判らんで、よく家老職が、つとまるの」
「久光、何を、お云いやる」
と、お由羅が、叱った。
「耳が、ついているのか」
と、久光は、将曹の耳を見た。
「これっ」
お由羅が、大きい声を出した。将曹は、じっと、久光を睨みつけて、顔を、赤くしていた。久光は、その眼を、睨みつけながら
「その眼なら、読めるであろう。只今、父上から頂戴致して参ったものじゃ。よく、拝見してみい」
と、云って、懐中から、書面を、取出して
「読んでみい、声を出して」
将曹が延した手へ、渡した。