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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

久光は、腹の中へ、熱い鉄を当てられたように感じた。

「いいえ、哲丸が――」

と、云いたかったが、死んだ哲丸を――今、死んだ、と聞いた哲丸を、偽って、相続にとは、云えなかったし、哲丸が死んだということも、この死に瀕している斉彬に、云えることではなかったし――が、黙っている訳には行かぬと思うと、腹が、胸が、悲しさに固くなって、痛みをさえ感じてきた。石見が、久光の顔を、じっと見ていたが、そっと、袖を引いた。それは

(何んとか、返事を――)

と、いう合図であった。久光は、こうした最後の時にまでなって、猶、お由羅にいいよう、斉興にいいよう――己の子の哲丸がいるのに、それを犠牲にして忠義を立てよという斉彬の心に対して――斉彬に、謝するよりも――お由羅の陰謀を、悉く知っていて、猶、父のために、島津のために、平安なれと、祈っている斉彬の心へ、泣いて謝するよりも、こうした斉彬の心事を、何一つ察しないで、事ごとに斉彬を苦しめてきた父母に対し、将曹等に対し、押えきれぬ激怒が湧き上ってきた。そして、自分が、その斉興に愛せられ、お由羅に寵愛せられているかと思うと、この兄の前に――兄の死の前に、父母に代って、何う詫びていいか、何んと云っていいか――久光は、身体を固くして、俯向いていたが、肩を動かし、眼へ手をやると同時に、声を立てて、