Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんちしんじゅう

南地心中

泉 鏡花

Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

じゃ、天王寺の境内で、猿曳を拾上げたって何の功にもなりゃしない。

まあね、……旦那は寝たろう。取巻きの芸妓一統、互にほっとしたらしい。が、私に言わせりゃその徒だって働きがないじゃないか。何のための取巻なんです。ここは腕があると、取仕切って、御寮人に楽をさせる処さね。その柔かい膝に、友染も露出になるまで、石頭の拷問に掛けて、芝居で泣いていては済みそうもないんだが。

可しさ、それも。

と、そこへ、酒肴、水菓子を添えて運んで来た。するとね、円髷に結った仲居らしいのが、世話をして、御連中、いずれもお一ツずつは、いい気なもんです。

さすがに、御寮人は、頭をちょっと振って受けなかった。

それにも構わず……(さあ一ツ。)か何かで、美濃から近江、こちらの桟敷に溢れてる大きなお臀を、隣から手を伸して猪口の縁でコトコトと音信れると、片手で簪を撮んで、ごしごしと鬢の毛を突掻き突掻き、ぐしゃりと挫げたように仕切に凭れて、乗出して舞台を見い見い、片手を背後へ伸ばして、猪口を引傾けたまま受ける、注ぐ、それ、溢す。(わややな、)と云う。

そいつが、私の胸の前で、手と手を千鳥がけに始ったんだから驚くだろう。