Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんちしんじゅう

南地心中

泉 鏡花

Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

あの………扉の、お仕置場らしい青竹の矢来の向うに……貴女等の光景をば。――

悪事は虎の千里走る、好い事は、花の香ほども外へは漏れぬ言うけれど、貴女二人は孝行の徳、恋の功、恩愛の報だすせ。誰も知るまい、私一人、よう知った。

逢阪に店がある、餅屋の評判のお娘さん、御両親は、どちらも行方知れずなった、その借銭やら何やらで、苦労しなはる、あのお爺さんの孫や事まで、人に聞いて知ったよって、ふとな、彼やこれや談合しよう気になったも、私ばかりの心やない。

天満の天神様へ行た、その帰途に、つい虚気々々と、もう黄昏やいう時を、寄ってみたい気になって、貴女の餅屋へ土産買う振りで入ったら、」

と微笑みながら、二人を前に。

「多一さんが、使の間をちょっと逢いに寄って、町並灯の点された中に、その店だけは灯もつけぬ、暗いに島田が黒かったえ。そのな、繃帯が白う見えた。」

二十一

小指を外らして指の輪を、我目の前へ、……お珊はそれが縁を結ぶ禁厭であるようにした。

「密々、話していやはったな。……そこへ、私が行合わせたも、この杯の瑞祥だすぜ。

ここで夫婦にならはったら、直ぐにな、別に店を出してもらうなり、世帯持ってそこから本店へ通うなり、あの、お爺はんと、三人、あんじょ暮らして行かはるように、私がちゃと引受けた。