Japanische Klassiker mit Furigana
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らんとうばのてんにょ
卵塔場の天女
泉 鏡花
Lesen Sie 卵塔場の天女 (らんとうばのてんにょ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.251 Zeichen · 94 Bildschirme
色は兀げたが、活きているようで、――(先には店頭にあったのだと後で聞いた)――息子は好男子なのに、……八郎の言った福助の意味も分ったが、どこに居ても、真夜中には、ふッと抜けて、屋の棟へちょんと乗って、ここの一家を守りでもしそうで、且つ何となく、不気味だった。
その時である。
「こっち、こっち、ほほほ。」
と派手な声が、嫁さんの花簪の上を飛んで来た。
すぐに分った、店口を入る、茶の室と正面の階子壇の下に、炭火の赫と起った台十能を片手に、立っていたのがすなわち内儀で。……と見ると艶々したその櫛巻、古天井の薄暗さにも一点の煤を留めぬ色白さ。惜い事に裸身ではないが、不断着で着膨れていながら、頸脚が長くすらりとしていた。
「勝手が違ったね、……それでもここが可懐いや。」
と、八郎がすぐに長火鉢の前へ膝を支くと、
「そこは混雑するからさ――唯今御挨拶を――」
と私には言いながら、八の脱いだ外套と帽子を、置戸棚の傍へ押束ねざまに、片手業に火鉢にかかった湯気を噴く鉄瓶を提げて、すいと二階へ上って行く。
間早な事は、二階にもう鉄の火鉢に、郡内の座蒲団が二枚直してあった。