Japanische Klassiker mit Furigana
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らんとうばのてんにょ
卵塔場の天女
泉 鏡花
Lesen Sie 卵塔場の天女 (らんとうばのてんにょ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.251 Zeichen · 94 Bildschirme
」
「何がまた口惜くって、あの花瓶を打欠いたんです。」
「もう見て来たのか、迅いなあ、天眼通だ。……あれはね、何、買う時から打壊すつもりだったんだよ。あの絵に、秋草の中に、食ものばかりの露店の並んだのを見て、ふらふらとなった。――川通りの夏の夜店へ遊びに出ては、一軒々々指を啣えて欲しい欲しいと餓鬼みたいさ。買えないだろう。あの粟餅のふかし立だの、白玉焼の餡子のはみ出した処なんざ、今思出しても、唾が垂れる。小僧、立つな立つな見ていて腹は満くならない、と言われた事さえあるんだから。
その腹癒と、自分のさもしい根性を一所に敲き破ったのだよ、――一度姉さんと歩行いた時、何か買って食べさしたいと思ったが、一銭あった。……ざまあ見やがれ亡びたがね、大橋のあの柳の傍に、その頃水菓子屋があって、茹豌豆を売っていた。」
「覚えていますよ。」
「袋で持つと、プンと臭い。蒸臭てる、と言ったら、洗って食えと言った。癪に障って、打ちまけたら、お前さん、食べたより嬉しいと言ったぜ。」
「ええ、覚えていますよ。」
「場所が場所だし、念ばらしに一斉に打まけたんだよ。」
「その事ですよ。何だって思うままにするが可いんです。