Japanische Klassiker mit Furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme
立ち並んでる桜の古木の、黄ばんだ葉をまばらに散り残してる枝の下に、霜枯れの草原が遠くまで透し見られた。それと照応して、空がしめやかに澄みきっていた。
隆吉は口笛を吹きながら歩いていたが、突然足をゆるめて云った。
「家にもこんな庭があるといいなあ。」
「じゃあ叔父さんにねだって拵えて貰うさ。」
「駄目だい。」
「なぜ?」
「なぜって、駄目だい。」
木の下に歩み寄ると、紫がかった木の葉の影が、点々と淡く落ちていた。
「隆ちゃんは、家にこんな広い庭があったらどうする。」
隆吉は一寸眼を見据えた。
「僕ね、石榴の木を一杯植えるよ。」
周平が黙ってるのを構わずに、彼はまた云い続けた。
「元の家にね、大きな石榴の木があったよ。お父さんが大事にしてたんだよ。庭は狭いけど、石榴の木があるからいいって、いつも云ってたよ。」
「だって隆ちゃんは、お父さんが死んだ時はまだ赤ん坊だったろう。どうしてそんなことを覚えてるの?」
周平からじっと見返されると、隆吉は口を尖らし眼を円く見開いて、自分でも思い惑ったような表情をした。それから黙り込んでしまった。
が、暫くすると、また口笛を吹いてさっさと歩き出した。