Japanische Klassiker mit Furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme
散歩の人も二三人きり見えなかった。常磐木の横を廻ってゆくと、其処の日向に三脚を据えて、向うの灌木や芝地になだれ落ちてる外光を、点々と写し出してる画家があった。立って見てる人も居ないのが、あたりの景色と共に、余りに静かで淋しかった。
白い小さな蝶が一匹、枯れつくした花壇の方から飛んできた。その後を追うともなくゆっくり追って行くと、後ろに檜葉の茂みを控えた暖かい芝地で、蝶はぱっと高く舞い上った。一線の大きな叢を選んで、周平は腰を下した。ほろろ寒い檜葉の下影から、弱々しい虫の声が聞えてきた。
周平が夢想に耽ってるまに、隆吉は団栗を拾って駈けてきた。
「これで中っこしようか。」
近くに標的を定めて投げてみたが、なかなか中らなかった。それでも、隆吉は二三度あてた。
弾が無くなってつまらなそうな顔をしてる隆吉を、周平はいきなり引寄せて、膝の上に腰掛けさした。痩せた軽い身体だった。隆吉は変にもじもじしていたが、ふいに飛びのいて、周平の背中につかまってきた。周平はそれを負って、のっそり歩きだした。
「僕ね、お父さんにもお母さんにも負さったことがないんだって。」
そして隆吉は肩の手にぐっと力を入れた。