Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
いつかお目にかかった時に「あなたは読みますか?」とおたずねしたら、あなたは「いや、たいがい読みませんね」と答えられました。「すると購読者は読んでいるのでしょうか?」と私が言うと、「わが社の調査によると、百人中九十五人ぐらいは読んでいないらしい」と言われました。「そうすると、たしかに読んでいる人がどれくらいいるのでしょうか? いるならばそれはどんな人でしょう?」と私が問うと「たしかに読んでいる人が一人だけはいます。それは、その論文の筆者ですね」と答えられました。答えながら、あなたは実に完全に平静に落ちついていられました。かえって私の方が胸がドギドギした位でした。「ほとんどの人が読まないとわかっている文章に金を払ったり、それでもって巻頭を飾ったりしながら、それほど落ちついていられるのは、なかなか勇気の要る事です」と私がほめると、あなたは、はじめて我が意を得たりといったようにニヤリとして「そうです、私には勇気があります。オカシラつきの魚を持ち出して来る料理人と同じ勇気がね。カシラが食えないのは、先さまも手前たちも承知なのですよ。しかしとにかく綜合雑誌はオカシラつきの魚料理ですからねえ、なにはともあれオカシラのついている料理を好む購読者がたくさんいる限り、私の勇気も必要です」