Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
悪いのは貴公等ではなくて時世だろう。しかしそれならば、党の名をかたって賊同然のことを働かずに、なぜに筑波へ行かぬ? 志を以って馳せ参ずれば、士、浪士、町人、百姓、無頼窮民に至るまでそれぞれに義軍に加盟させる点で天狗党は断じて吝ではあるまい。どうだ? 今夜のところはここをこのまま引取られよ。第一この家に金はあるまい。それから、貴公等は知らんだろうが、この家は天狗党でズッと働いていた郷士利根甚伍左の住居だ。ハハハ、場所が悪い。(暴徒等は殆ど毒気を抜かれてしまっている)……それともどうあってもといわれるならば、仕方なし、拙者がお相手になる。(暴徒等默して動かず。今井、ユックリと道中半合羽を脱ぎ仕度をする。半合羽を脱いだのを見ると、捕手を斬り抜けてでもきたのか、白っぽい着物のわきから袴へかけて、多少の返り血、左二の腕にかすり傷でも負うたらしく、着物の上から手拭でキュッとしばっている。その手拭にも少し赤いものがにじんでいる。今井の態度が静かに落着いているだけにこの姿はギョッとする程の印象を与える。今井、大刀の束に左手だけを掛けて、無言で暴徒等を見渡す。……間。