Japanische Klassiker mit Furigana
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こきんしゅうまきのご
古今集巻之五
山本 周五郎
Lesen Sie 古今集巻之五 (こきんしゅうまきのご) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.482 Zeichen · 43 Bildschirme
五郎太の表情が変った。明らかに、彼はなにか思い違いをし、云ってはならないことを云った、ということに気づいたようであった。主計はそれをしかと認めた。
「丹野に宛ててよこしたあれか」と主計は云った、「あの手紙に灸寺のことが書いてあったのか」
「読まなかったのか」
「説教ではなかったんだな」と主計は声を低くした、「どういうことだ」
「忘れてくれ」と五郎太が云った、「――いや、それはだめだろう、口をすべらせたおれが悪い、忘れてくれだけでは済まぬだろう」
「手紙に書いたのはなんだ」
五郎太は唇を噛みしめた。唇が白くなり、両手で袴をわしづかみにした。
杉江どのの自殺は、自殺とすべきであった、五郎太は話しだした。病気による急死、などと偽ったのは誤りであり、そのために却って事を紛糾させてしまった。たとえ中老任命が延びたにもせよ、事実を事実のまま明らかにすれば、主計をこんな状態にすることはまぬかれたであろう、この責任は自分が負わなければならぬと思った。――それで、自分は杉江どのの自殺した原因をしらべにかかった。丹野に宛てて送った最後の手紙には、その結果が書いてあったのだ、と五郎太は云った。