Japanische Klassiker mit Furigana
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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
Lesen Sie 古句を観る (こくをみる) von 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.028 Zeichen · 333 Bildschirme
季題によって季節の連想を限るのは、俳句の長所であると同時に、その短所でもあるが、俳人は時に他の配合物を拉し来って、季節外れの猫の恋を句にしている。子規居士は寒の内から已に恋い渡る猫の声を聞いて、「凍え死ぬ人さへあるに猫の恋」と、ややあさましいという見方をした。季題の春を猫の恋のシュンとすれば、寒の内のはハシリであり、梅雨中のは時候おくれのわけである。
梅雨に入って毎日のように雨が降る。その雨の中を恋い渡る猫の声が聞える。「又一しきり」というのは、春以来一時やんでいた恋猫の声が、五月雨時になって再興されて、また一しきり聞えるという意味であろう。この「一しきり」は普通に「雨がまた一しきり強く降る」などというほど、短い時間の「一しきり」ではない。長い梅雨の間の一時期を指すものと思われる。
五月雨や朝行水のたばね髪 洛翠
行水というものは大体夕方か、夜のものと相場がきまっている。一日の汗を流す簡単な入浴なのだから、実際問題からいっても、そういう時間になりやすい事情がある。
この句は変った場合と見えて、特に「朝行水」という語を置いた。時節も五月雨だから、いわゆる行水のシーズンではない。