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Japanische Klassiker mit Furigana

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こくをみる

古句を観る

柴田 宵曲

Lesen Sie 古句を観る (こくをみる) von 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.028 Zeichen · 333 Bildschirme

Aozora Bunko

それを「たわむ」という言葉で現したのが、作者の技巧であろう。「吹落す」となっている本もあるが、「落す」では前のような光景は浮んで来ない。「吹おろす」でなければなるまいと思う。

野はづれや扇かざして立どまる    利牛

元禄七年五月、芭蕉が最後の旅行に出た時、東武の門人たちが川崎まで送って行った。芭蕉が別れるに臨んで「麦の穂をたよりにつかむわかれかな」と詠んだ、その時の餞別の句の一である。

芭蕉の姿はだんだん小さくなって行く。立って行く芭蕉も、見送る門弟も、これが最後の別になろうとは思いもよらなかったに相違ない。じっと姿の見えるまでは立って目送する。今ならハンケチを振るところであろうが、元禄人にはそんな習慣がない。立止ってかざす扇の白さが目に入る。別離の情はこの一点の白に集っているような気がする。

芭蕉翁餞別という背景がなかったら、この句はそう注意を惹く性質のものではないかも知れぬ。俳人が別離の情を叙するに当って妄に悲しまず、必ずしも相手の健康を祈らず、不即不離の裡に或情味を寓するの妙は、この句からも十分受取ることが出来る。

蚊遣火や道より低き軒の妻    百里