Japanische Klassiker mit Furigana
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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
Lesen Sie 古句を観る (こくをみる) von 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.028 Zeichen · 333 Bildschirme
この「柿の蔕」なども慥にその一例と見るべきもので、どこにどう残っているのか、深く問わぬような趣がある。
篠深く梢は柿の蔕さびし 野水
三線からむ不破の関人 重五
という附合の句は、ずっと以前『七部集』を耽読した頃から、頭に沁み込んで離れぬものの一であるが、これが先入主になっているせいか、野童の柿の蔕も直に梢にあるものと解釈した。外屋敷の背景の下に、この蔕のあるところを考えれば、柿の木の梢より外にはあるまいと思う。
子供の時分、父が柿の木を二本買って植えたことがあった。一本の百目柿には大きな実が一つ二つ残っていたが、一本の方は葉も何も悉く落尽して、枯木のようになっていた。その梢に点々と黒いものの残っているのを、何かと思って竹竿で落して見たら、固く干からびた蔕であることがわかった。この柿は庭に植えてから、一度もならずに枯れてしまったと記憶している。かつて「篠深く」の句に興味を感じ、今またこの柿の蔕を取上げたのも、畢竟この少年の時の事が土台になっているのかも知れない。人間というものは他の句を解釈するに当っても、自己の世界を脱却出来ぬものと見える。