Japanische Klassiker mit Furigana
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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
Lesen Sie 古句を観る (こくをみる) von 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.028 Zeichen · 333 Bildschirme
籾ひたす池さらへけり藪の中 鶴声
苗代に種を蒔くに先って、籾種を水に浸して置く。普通に「種浸」とか「種かし」とかいうのがそれで、浸す場所によって「種井」とも「種池」とも呼ばれている。この句はその籾を浸す前に池を浚ったという、やや特別な趣を捉えたのである。
藪の中にあるというのだから、この池はそう大きなものとは思われない。池を浚って冬以来溜っていた水を一掃するのは、籾種を浸すために先ずその水を清からしむるのであろうと思う。農家の人々から見たら、あるいは平凡な事柄であるかも知れぬが、こういう句は机上種浸の題を按じただけで拈出し得るものではない。実感より得来った、工まざるところに妙味がある。
草に来て髭をうごかす胡蝶かな 素翠
このままの句として解すべきである。「草に来て」という上五字に重きを置いて、花に来ないで草に来た、という風に解すると、理窟に堕する虞がある。この句の特色は蝶が草にとまって髭を動かしているという、こまかな観察をしている点にあるので、表現法の問題はともかく、古人の観察も往々かくの如く微細な方面にわたることを認めなければならぬ。