Japanische Klassiker mit Furigana
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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
Lesen Sie 古句を観る (こくをみる) von 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.028 Zeichen · 333 Bildschirme
作者が鼻に感じた通り、「松臭し」といってのけたのは、かえってよく趣を発揮している。「臼も柱も」の一語で、家も臼も新しいことを現したのも、巧な叙法というべきであろう。
麦まきの寒さや宿はねぶか汁 鼠弾
蕭条たる冬枯の野に出て麦蒔をする。日和が定って暖いこともないではないが、曇ったり、風が吹いたりすれば甚しく寒い。仮令そういう条件が加わらないにしても、日が傾けば寒さはひしひしと迫って来る。冬郊に働くことは、この一点だけでも慥に楽ではない。
この句はそういう麦蒔の人の寒さと、その人たちがやがて帰る家で、葱汁を拵えて待っているという事実を描いたのである。麦を蒔く野良の寒さを想いやって、帰って来たらこれを犒うべく葱汁を拵えた、という風にも解せられる。しかし宿の方を主にして、野良の寒さは想いやっただけのものとすると、いささか感じの弱められる虞がある。麦蒔をおえて寒い野良から帰って来る。宿では葱汁を拵えてくれたと見えて、暖そうな匂が鼻をうつ、という風に解釈したらどんなものであろう。この葱汁は膳に向って啜るところまで描かれないでも差支ない。野良の寒さが強ければ強いほど、宿の葱汁の暖さもまた強く感ぜられるのである。