Japanische Klassiker mit Furigana
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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
Lesen Sie 古句を観る (こくをみる) von 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.028 Zeichen · 333 Bildschirme
香取秀真氏の古い歌に「おしいれの猫の産屋に雨もりて夜たゞ親鳴く子を守りがてに」というのがあった。この場合もあるいは雨漏のためにどこかへ移すのかも知れない。雨の中を子を銜えて運ぶ親猫の様子が見えるようである。
この句の面白味は「思ひ」というところにある。「蛇を追ふ鱒のおもひや春の水」という蕪村の句も、動物の「思ひ」を捉えているが、いささか特殊に過ぐる嫌がないでもない。「子を運ぶ猫の思ひ」は平凡な代りに、何人にも窺い得る境地であろう。
鳴雉子微雨に麦の茎立ぬ 鷺雪
「微雨」はコサメと読むのであろうか。どこかに雉子の声がする。微雨の中の麦もいつか茎が伸び立って来たというので、単なる配合のように見えて、そこにいうべからざる陽春の気が感ぜられる。雨に濡れた麦の色と、どこともわからぬ雉子の声と、野外の春は一句に溢れているといって差支ない。
「ほろ/\と椿こぼれて雨かすむ巨勢の春野に雉子なくなり」という歌は、美しいことは美しいけれども、大和絵風の繊麗に堕した傾がある。茎立つ麦に啼く雉子の工まざるに知かぬような気がする。
紅梅やひらきおほせて薄からず 睡闇