Japanische Klassiker mit Furigana
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こじょうのまひる
古城の真昼
野村 胡堂
Lesen Sie 古城の真昼 (こじょうのまひる) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.644 Zeichen · 28 Bildschirme
井戸の上に、真昼の陽を受けて、キラリと閃めくナイフ。
「オオ危エ」
思わず首をすくめて息を呑みましたが、不思議に縄は切られた様子もありません。大急ぎで手繰って井戸の中からヒョイと首を出すと、光子は石畳の上へねじ伏せられて、その繊細い首筋へ、血に飢えたナイフが臨んで居ります。
「エッ」
早速の気転、井戸の口から横なぐりに投った鶴嘴、ナイフの主に当って、
「ウム」
と倒れてしまいました。見ると、それは思いきや子爵玉置道高の血に飢えた恐ろしい姿だったのです。
「みっちゃん、危なかったなア。君は縄を切らせまいとして争ったんだろう。どうも有難うよ。キットお礼はする」
「あれ、生月さん、私こそ」
身じまいをして、ポッと娘は赤くなります。人目が無ければ手でも取り度いような心持でしょう。
蜂屋文太郎その他は、手錠をかけられた兇漢が逃げ出したのを、追い廻して其処には居なかったのです。
折から警戒の巡査の手を借りて、兇漢を捕えた一行は、蜂屋を先にドヤドヤと帰って来ました。
「オウ、これは子爵じゃないか」
鶴嘴を叩き付けられて、石畳の上に倒れた子爵を助け起して、筒井知丸は大袈裟な声を出します。