Japanische Klassiker mit Furigana
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こじょうのまひる
古城の真昼
野村 胡堂
Lesen Sie 古城の真昼 (こじょうのまひる) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.644 Zeichen · 28 Bildschirme
と書いた言葉があります。これも判読で、確かにそう書いてあるかどうかは、はっきり申上げられませんが、昔から土俗に、『夏至の正午の刻に、玉置の城の宝が世に出る』という言い伝えがあるところを見ると、これは重要な鍵の一つとして、或程度まで信じても宜しいことと思います。
夏至と申すと、六月の二十二日で、丁度明日に当ります。汽車で二時間、上野から早朝立てば、常磐線の小駅から少し歩いて十時までには城跡へ着きます。御都合の宜しい方は、七時上野駅でお待合せを願います」
「賛成」
「是非私も参りましょう」
ざわめく室内をもう一度眺め渡し乍ら蜂屋文太郎は尚も言葉を継ぎます。
「もう一つ、この探検は一見何んでもない事のように思われますが、実は非常に危険があるという事を申し添えて置きます。一昨年も昨年も、丁度同じ夏至の日に、玉置の城趾で、何者とも知れぬ者の為に何者とも知れぬ者が殺害されて居ります。一昨年は昔の内濠の跡、今は用水堀になって居る所で、一人の老人が石垣の中から抜け出したとも見える、大石に打たれて死んで居りました。が、石垣の石はそんな所へ独りで飛ぶわけはありませんから、これは仔細あって何者かに殺害されたものと見なければなりません。