Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
おまけに、娘の行くえがまだわからねえというんだから、これじゃあわてるのがあたりまえじゃござんせんか!」
と、――むっくり起き上がったようでしたが、まことにどうもその尋ね方がじつに右門流でした。
「人足どもあ、みんなとち狂って、川下ばかり捜しているんだろ。だれかひとりぐれえ上へのぼって調べたやつあいねえのかい」
「ちぇッ。お寝ぼけなさいますなよ。墨田の川はいつだって下へ流れているんですよ。聞いただけでもあほらしい。この騒ぎのなかに川上なんぞゆうちょうなまねして捜すとんまがありますものかい? 沈んだものでなきゃ、下へ流されていったに決まってるじゃござんせんか!」
「しようのねえどじばかりだな。だから、おいらは安できの米の虫が好かねえんだ。頭数ばかりそろっていたって、世間ふさぎをするだけじゃねえか。せっかく久しぶりで気保養しようと思ってやって来たのに、ろくろく涼むこともできゃしねえや。ちょっくら知恵箱あけてやるから、ついてきな」
慧眼すでになにものかの見通しでもがついたもののごとく、一本独鈷に越後上布で、例の蝋色鞘を長めにしゅっと落として腰にしながら、におやかな美貌をたなばた風になぶらせなぶらせ、ゆうぜんとして表のほうへやって参りましたので、すっかり悦に入ったのはあいきょう者です。